2019年3月31日日曜日

石ころいも


 もう30年も前になりますが、毎月日本の川をカヤックで下る旅をしていました。分解したカヤックを入れたバッグを背負って、電車やバスを乗り継ぎ川の上流まで行き、河原に着くと一人乗り用のカヤックを組み立て、中に一人分のキャンプ道具と食料を積み2~3泊河原でキャンプをしながら川を下りました。川下りの旅をするようになってから、石の魅力に気づきました。自然の中で生まれた石はどれも同じものはなく個性がありました。生物や植物と同じように鉱物も自然の中で生きていると感じました。どんな石にも永い年月の物語があるのだろうと想像しました。
 
 当時住んでいた葉山の海岸には権太郎岩という伝説の岩があります。釣りが大好きな爺さんが毎日釣りをしていたらいつの間にか岩になってしまったというのです。石垣島にも岩になった娘の話がありました。日本には石や岩の伝説がたくさんあります。
 人は石や岩にも魂が宿っていると信じて、石や岩に隠された物語を創造しました。きっと自然の中で生まれた石や岩にも存在する理由があるのでしょう。

 春の訪れとともに雪が溶けころころ石がころがります。生命は奇跡でできている。そして、物語が始まります。