2022年9月7日水曜日

8月27日に開催された絵本講座の報告

 


8月27日(土)大分県立図書館での絵本講座は無事終了しました。新型コロナ感染の影響でイベントは中止になっていましたが、3年ぶりに講演会を開催しました。今回は読書活動支援に興味を持った人を対象とした絵本講座でしたが、親子で数名の子ども達も参加してくれました。講演会の様子を写真で紹介します。


写真下は、「絵本を1冊作るのに、どのくらいの時間がかかりますか?」と言う質問に答えています。

写真左端の子どもは、テーブルの上に置いてある不思議コマを回して遊んでいるところ。話が大人向けなので、飽きたら席から移動してコマで遊んでもらうようにしました。


写真下は、講演終了後に絵本「かえるや」に隠れている指遊びのオスかえるとメスかえるの作り方を説明しているところ。


写真下は、講演が始まる前に子ども達に不思議コマの回し方を説明しているところ。

今回は子ども達と遊ぶ時間を作れなかったので、自分で作る不思議コマのお土産を用意しました。


写真下は、ミニ仕掛け絵本の「おばけがぞろぞろ」です。ワークショップでは佐々木マキさんの絵本「おばけがぞろぞろ」を読んでから作ります。ぼくが作った見本は、仕掛けをおばけの口に見立てて花のおばけを描きました。この仕掛けを何に見立てるかは作り手の自由です。子ども達は大人では考えつかないようなおがけを想像して描きます。今回はミニ絵本と仕掛けを作るだけで、絵は家で描いてもらいました。どんなおばけが飛び出すか見ることがでず残念でした。しかし、講演会が終了してからスタッフのお子さんが作ったというミニ仕掛け絵本を見せていただきました。スタッフには事前にミニ仕掛け絵本を渡して、家で作り方を覚えてもらっていました。

やはり子どもの発想はすごいと思いました。パクパク動く仕掛けを魚の鰓に見立てていましたが、ただの魚ではありませんでした。魚には身がなくしっぽと骨と頭だけのシュールな魚が動いていました。本来ならこんな楽しい作品をみんなで見せ合いながら作ります。



参加者の感想を一部紹介します。


*絵本ができあがるまでよくわかりました。今まで何気に見ていた本も気をつけて見 直したい。


*家にある絵本をもう一度読み直して、子どもと「ひみつ」を見つけたいです。


*「やさいのおなか」の本は読み聞かせの時によく持っていく本です。3歳の子には いろいろと見えている、それが大事と言う話がとても印象にのこりました。


*これまでも好きだった絵本が今回のお話を聞いて、さらに好きになりました。

子どもの頃、空き箱やチラシでなんでも作って遊んで楽しかったことを思い出しました。


*ワークショップをぜひやってほしい。


3年ぶりの絵本講座で少し緊張しましたが、参加者皆様の笑顔を見て安心しました。そしてたくさんのエネルギーをもらいました。ありがとうございました。子ども達とはたっぷり遊ぶ時間が作れず申し訳なく残念でした。まだまだ新型コロナ感染が治らない状況ですが、新しい形でのワークショップを開催できればと考えています。


ワークショップなどイベント企画のお問い合わせは木内まで下記メアドにご連絡ください。

qkatsu@icloud.com




2022年9月6日火曜日

2022年8月 著作権利用のお問い合わせ

 きうちかつ様


初めてメールを差し上げます。

世田谷区で読み聞かせをしているボランテイアグループ「おはなし結」の竹中二葉と申します。


特別養護老人ホームのおはなし会できうちかつ様の絵本『やさいのおなか』『やさいのせなか』読み聞かせを希望しています。現在は、感染症対策のため、おはなし会を対面で実施できず画面を通じて行なっています。zoomを使用しますが、録音や録画などは一切致しません。感染症が拡大する数年前、『やさいのおなか』『やさいのせなか』を対面で読み聞かせをしたところ、入居者の皆様、「おなか」や「せなか」の絵から食べ物の記憶が蘇るようで「あ! アレ、あの野菜よ、美味しかったわ」「それ、何ていう名前だったかしら!」と大変喜ばれました。


つきましては、8/22, 9/26に施設入居者の15人の高齢者へ『やさいのおなか』『やさいのせなか』を読み聞かせによりお届けしたいのですが、よろしいでしょうか。入場料は無料、謝礼等は発生せず、全てボランティアです。


著作物利用許可申請を福音館書店様へ提出したところ、きうちかつ様ご本人に伺うように、とのことでした。ご検討くださいますよう、よろしくお願いいたします。


おはなしボランティア おはなし結

竹中 二葉


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竹中 二葉 様


初めまして、木内です。

ご連絡ありがとうございます。

お問い合わせにお答えします。


「やさいのおなか」と「やさいのせなか」をzoomでの読み聞かせを許可します。


感染症が拡大する数年前、『やさいのおなか』『やさいのせなか』を対面で読み聞かせをしたところ、入居者の皆様、「おなか」や「せなか」の絵から食べ物の記憶が蘇るようで「あ! アレ、あの野菜よ、美味しかったわ」「それ、何ていう名前だったかしら!」と大変喜ばれました。


このような具体的に読み聞かせをしたときの様子を書いていただきありがとうございます。絵本を通していろいろな記憶が蘇るのは、高齢者を対象にした読み聞かせ会ならではの楽しさですね。子どもたちを対象にした読み聞かせ会も開催しているのでしょうか?


子どもを対象にしたときは、特に注意して欲しいことがありますのでお伝えします。


著作権法を順守していただければ絵本をどのように読み見せるかは、読者の自由だと思います。読み方や見せ方に決まりはありません。しかし、この絵本を作った理由と思いが作者にはあります。はばかりながらぼくの考えをお伝えします。


「やさいのおなか」を食育で使いたいというご要望はたくさんあります。子どもたちが野菜に興味を持ってもらう手段の一つとして「やさいのおなか」を使いたいという先生方のお気持ちは理解できます。しかし、この絵本の作者としては、シルエットの答えは野菜の名前以外のものがたくさん出てきて欲しいと思っています。答えが野菜でなくても良いのです。子どもたちの豊かな発想を否定せず伸ばして欲しいと思います。「やさいのおなか」は野菜の名前や形を覚えるための知育絵本ではありません。子どもたちが楽しい時間だと思えるようにするのは、大人の心構え次第だと思います。「やさいのおなか」誕生秘話はオフィシャルブログにも書いてあるのでよろしければご覧ください。


http://yasainoonaka.blogspot.com/2021/06/blog-post_6.html


http://yasainoonaka.blogspot.com/2022/04/blog-post_2.html


http://yasainoonaka.blogspot.com/2022/04/blog-post.html



いろいろな記憶が蘇って、話が広がると良いですね。

イベントが楽しい時間になるよう頑張ってください。


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木内


お返事をいただき、どうもありがとうございます。

とても嬉しくメールを拝見いたしました。


まずはzoomおはなし会での読み聞かせをご許可くださり、ありがとうございます。

感染症のため、入居者の皆様へ対面でお届けできないもどかしさはありますが、きうち先生の力強い白黒の絵、それに続くカラーの絵で静かに眠っていた記憶が、ムクムクと呼び起こされると確信しております。じーっと絵を見ながら、一口食べた美味しさや、お勝手で料理した時の匂い、ごつごつごつやざらざらざらざらの手触りを今一度思い出し、こちらにも教えていただきたいと思っています。もし、その「名前」が出てこなくとも、ご自身の思い出が蘇れば満点ときうち先生からのメールを読んで気づきました。どうもありがとうございます!


また、きうち先生のオフィシャルブログを拝見いたしました。子どもたちを対象にした読み聞かせもしておりますが、私たちがしてしまいがちな勘違いをご指摘くださり感謝をしております。次は子どもたちのおはなし会で読み聞かせをし、どんな言葉が出てくるか、どんな見方を教えてくれるか、楽しんでみたいです。


きうち先生からいただいたメールをグループの仲間で共有し、私たち大人も、のびのびと楽しむきっかけにしたいです。貴重なアドバイスをどうもありがとうございました。後日、おはなし会当日の様子を報告いたします。


おはなし結

竹中 二葉


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木内


先日は、高齢者へのオンラインおはなし会での絵本読み聞かせを許可してくださりどうもありがとうございました。先ほど、おはなし会が終わりました。


『やさいのおなか』のかぼちゃの白黒のページを開きますと、「うーん、知らない。こんなもの見たことのない」とみなさん。

では、こちらはどうでしょうかとページをめくりますと「あ、かぼちゃ? かぼちゃ!」「私、煮付けて食べた」「私、かぼちゃ嫌い」「煮物より天ぷら、作ったわ」と話が止まらないのでした。


『やさいのせなか』のとうもろこしの白黒のページを開きますと、「知らない」「食べたことない」とみなさん。こちらから「実は黄色なんですよ」とお伝えする「え、とうもろこし?」「あ、このつぶつぶ」「ヒゲ、ヒゲ」とおっしゃいました。そしてページをめくりますと、「おー」と歓声が上がります。「おやつだった」「茹でて食べた」と昔を懐かしむお声も。今は施設にいらっしゃる方も、どうやって食べようか考え、お勝手に立っておられた日々があり、それは体に染みこんで忘れることのできないものなのでは、と思いました。もっと入居者の皆様から、お話を聞きたくなってしまいました。


木内先生からメールをいただいたことでおはなし会の目的を考えるきっかけをいただきました。どうもありがとうございました。これからもブログを覗かせていただきます。


おはなし結

竹中二葉


2022年7月 著作権利用のお問い合わせ

 きうちかつ 様

初めて御連絡させて頂きます。

北海道釧路市のシンフォニアスープ事務局、山田優子と申します。

著作物利用の許可をして頂きたくお願い申し上げます。

①使用絵本

「やさいのおなか」

作・絵 きうち かつ 

②使用日時2022/7/2021

のうちの一日

②使用回数 1回

③目的

文化庁の【文化芸術による子供育成総合事業】として、「絵本と音楽と絵画のコラボレーション」をしているシンフォニアスープが、地元の小学校へ派遣されることとなりました。

その際にて【やさいのおなか】を絵本セラピストが朗読と、プロジェクター拡大投影にて利用させて頂きたくお願い申し上げます。

③対象者

小学生(5.6年生)

④人数は2学年合わせて160

⑤会場は小学校の体育館


尚、

文化庁より謝金や交通費等が出る予定ですが、材料費や資料作成などの経費として使用いたします。

お願いとして、

自分達の記録用としてビデオ撮影させていただきたいです。

事業報告などで絵本の表紙をつかわせて頂きたいです。

よろしくお願いします。


シンフォニア・スープ事務局

山田優子


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山田優子 様


はじめまして、木内です。

ご連絡ありがとうございます。

お問い合わせについて、お答えします。


イベントでの「やさいのおなか」の使用を許可します。

楽しい会になるよう頑張ってください!


可能であればイベント当日の写真データ(子どもたちの顔が写っていないもの)を送ってください。

ぼくのオフィシャルブログ(下記のサイト)でイベントの紹介をしたいので、よろしくお願いします。


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きうちかつ 様

大変お世話になっております。
北海道釧路市のシンフォニアスープ事務局の山田優子と申します。

このたびは、【やさいのおなか】を使わせて頂き誠にありがとうございました。
7/22(
)小学校へ文化庁芸術家派遣として高学年(5~6年生)の生徒約160人へ、ピアノの音色にのせて朗読にチャレンジしました。
『これな~に?』の問いかけに元気よく答えてくれて、とても好評でした。
やはり『さつまいも』のところは、なんだろう?とザワザワしてこちらの思惑通り!私達自身も楽しめ、また子供たちからパワーをたくさん頂きました。
終わったあとに、絵本セラピスト大津洋子のところに男子生徒から「『やさいのおなか』の本、うちにもあるよ!だから嬉しかった!」
と声をかけてくれたのです。終わってからわざわざ声をかけるというのは、勇気のいることです。これが、絵本の力だと強く感じました。

そして、この度の【やさいのおなか】が好評だったことと、私達自身がまたこの絵本を使いたいと思いましたので、10/3()にも、同じように使用させて頂きたくお願い申し上げます。

①使用絵本
「やさいのおなか」
作・絵 きうち かつ 
②使用日時2022/10/3
②使用回数 1回
③目的
文化庁の【文化芸術による子供育成総合事業】として、「絵本と音楽と絵画のコラボレーション」をしているシンフォニアスープが、地元の小学校へ派遣されることとなりました。
その際にて【やさいのおなか】を絵本セラピストが朗読と、プロジェクター拡大投影にて利用させて頂きたくお願い申し上げます。
③対象者 全校生徒
④人数20
⑤会場は小学校の体育館

尚、
文化庁より謝金や交通費等が出る予定ですが、材料費や資料作成などの経費として使用いたします。
お願いとして、
自分達の記録用としてビデオ撮影させていただきたいです。
事業報告などで絵本の表紙をつかわせて頂きたいです。
よろしくお願いします。

シンフォニア・スープ事務局
山田優子

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山田 優子 様


こんにちは、木内です。

ご連絡ありがとうございます。

お問い合わせについて、お答えします。


「やさいのおなか」をイベントで使用することを許可します。

できましたらイベントの様子などがわかる写真を送ってください。

オフィシャルブログで紹介したいと思います。

今回のメールで生徒の感想や様子などが書かれていましたが、

これもブログで紹介させてください。

よろしくお願いします。


10月のイベントも楽しい会になるよう頑張ってください。

応援します!!!


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きうちかつ 様


大変お世話になっております。

早々の返信、感謝申し上げます。


10月の使用許可頂きまして、誠にありがとうございます。

次は少人数の学校なので、また楽しみです。

作家様ご本人より応援して頂き、心強いです。


7/22のイベントの写真、お送りいたします。

少しでも雰囲気が伝われば幸いです。

ブログも楽しみにしております。

よろしくお願いします。


シンフォニアスープ 山田優子






2022年8月13日土曜日

絵本講座の展示



 

大分県立図書館で8月27日に開催される絵本講座お知らせの工作を展示してきました。福音館書店より昨年出版されたかがくのとも「かえるや」の工作と「ふゆのかざりもの」に登場するミニクリスマスツリーです。図書館入り口に展示されています。絵本講座ではこれらのおもちゃは作りませんが、ミニ仕掛け絵本を作ります。お楽しみに!

2022年6月29日水曜日

絵本講座のお知らせ






6月6日のクイズの答えは、大分県立図書館です。 建物は円と四角でデザインされた窓が特徴的です。傘入れの窓や階段のデザインも円が使われています。

絵本講座のチラシができました。
申し込みは7月7日からです。




2022年6月6日月曜日

クイズとお知らせ

 




クイズです。この5つの写真はある建物の一部です。どこにあるなんの建築物かわかりますか?

ヒントは、磯崎新さん設計の建築です。大分県在住の人ならわかるかな?


さて、お知らせです。8月27日ここで絵本講座を開催します。昨年は新型コロナの影響で絵本講座を開催することはできませんでした。2020年2月に滋賀県東近江市で開催して以来です。いつも行う絵本講座は、講演会と親子参加によるワークショップをセットにしたプログラムで開催していましたが、今回は講演会だけです。まだ講座の募集が始まっていないので、講座の募集が始まりましたら改めてお知らせします。

2022年4月2日土曜日

作者のことば「くだものなんだ」


 

 人に伝えたいことやものが生じたとき、ぼくはその思いを絵本という形にします。その思いをどう表現すれば多くの人に伝わるのか、いつも考えています。完成した絵本が人の手に渡ったとき、その絵本は読者のものになります。その絵本を見た読者は、何を感じどう解釈するか人様々です。作者の思いとは別のことを感じたり、作者が思いもよらない発見をするかも知れません。1つのものがプラスに広がっていくことは、作者にとっても大きな喜びです。でもマイナスに広がっていくこともあります。それは作者にとって悲しいことです。


 大人が選んだ絵本をどのように子供に読み聞かせているのか、また絵本を見て子供や大人はどんな印象を受けているのか、読者からお便りを頂かない限り絵本の作者は知る由もありませんでした。ところが、今は違います。だれもがインターネットでブログやHPを作り自分の考えや意見を発信するようになり、自分の好きな絵本や子供の感想、評価や宣伝までもする状況になっています。自分が描いた絵本を検索すると、様々な意見や感想を知ることができます。そんな中には思いもよらなかった感想があり、驚いたり嬉しかったり悲しかったりもします。あまり多く読者の声を聞き過ぎると、鬱になってしまいそうなので時々見て参考にしています。


 近ごろは若いお父さんも子育てに加わって、絵本の読み聞かせをしているお父さんが増えました。また図書館でも読み聞かせのボランティアグループも増えているようです。ぼくも幼稚園で10年以上絵本の読み聞かせをしてきたので、みなさんがどのようにやっているのか気になっていました。そこで「やさいのおなか」の読み聞かせを調べたところ意外なことがわかりました。


 「やさいのおなか」は日本全国たくさんのボランティアグループによって読み聞かせの絵本として使って頂いています。作者としても嬉しい限りです。ただ気になる点が一つあります。それは、クイズのように子供達に問題を見せて答えを言わせる方法で読み聞かせをしているとき、子供から返ってきた答えに読み手がどう反応しているかと言う点です。タイトルが「やさい」となっているので、野菜以外の答えが子供から返ってきたときに、その答えを簡単に否定してしまう人がいます。それは作者の意図とは全く違いマイナスな読み方です。


 この絵本が生まれた時にも多くの読者からお手紙を頂きました。多くの感想は、やさいの断面を見て野菜以外のものを想像した答えが子供達からたくさん返ったことに親や先生は驚き、柔軟で豊かな子供達の創造力を再認識したこと。そして、子供達だけではなく大人も創造性を広げ身近な発見をさせてくれた絵本だとほめて頂きました。この時はまだ大人にも考える余裕があったのかもしれません。答えは1つだと決めつけた石頭ではなく、柔軟な遊び心をもった大人や子供達がたくさんいたのでしょうか?


 「やさいのせなか」を出版したあと、あれは子供には難しすぎるという大人の意見をネットでたくさん見つけました。確かにクイズ絵本として読み聞かせて、1つの答えだけを見いだそうとすれば、誰にとっても難しい問題になると思います。作者としてはそんなことを望んで絵本を作ったのではもちろんありません。


 「くだものなんだ」は「やさいのおなか」の果物偏です。でも絵本を作りながら、タイトルや文をどうするか悩みました。23年前に「やさいのおなか」を作ったときは、文にヒントや作者のイメージを書くことをしませんでした。それは読者にとってよけいなおせっかいだと考えたからです。しかし、今回は敢えてよけいなおせっかいをすることにしました。その理由は上記の通りマイナスな読み聞かせが広がっていると感じたからです。


 「くだものなんだ」というタイトルには2つの意味があります。質問するように「くだもの なーんだ?」と読むこともできますし、「くだもの だったんだ!」という認識することもできます。どうとらえるかは読者におまかせします。果物の細密描写は水彩絵の具で描きました。果物には同じ種類でもたくさんの品種があり形もそれぞれ違います。ここに描かれた果物は、全て石垣島で売られているものの中から選びました。果物に詳しい人ならその品種もわかるかも知れません。果物の断面図は、とてもユニークな形をしています。シルエットで見ると様々な形のものを想像することができます。果物だということを忘れさせるほど不思議な形をしています。「やさいのおなか」のときは「これ なあに」と質問だけでしたが、今回は果物以外のイメージをふくらませてほしいと思いぼくのイメージを付け加えました。もちろん他のものにも見えるので、何に見えるか自分のイメージを大切にして楽しんで頂きたいと思っています。


 最初に書いたように、絵本は読者が選んだとき読者のものとなります。絵本という素材をどう料理するかはあなた次第です。どうか子供達が元気になりあなたも子供達からたくさんのことを学べるよう料理してください。