2022年9月6日火曜日

2022年8月 著作権利用のお問い合わせ

 きうちかつ様


初めてメールを差し上げます。

世田谷区で読み聞かせをしているボランテイアグループ「おはなし結」の竹中二葉と申します。


特別養護老人ホームのおはなし会できうちかつ様の絵本『やさいのおなか』『やさいのせなか』読み聞かせを希望しています。現在は、感染症対策のため、おはなし会を対面で実施できず画面を通じて行なっています。zoomを使用しますが、録音や録画などは一切致しません。感染症が拡大する数年前、『やさいのおなか』『やさいのせなか』を対面で読み聞かせをしたところ、入居者の皆様、「おなか」や「せなか」の絵から食べ物の記憶が蘇るようで「あ! アレ、あの野菜よ、美味しかったわ」「それ、何ていう名前だったかしら!」と大変喜ばれました。


つきましては、8/22, 9/26に施設入居者の15人の高齢者へ『やさいのおなか』『やさいのせなか』を読み聞かせによりお届けしたいのですが、よろしいでしょうか。入場料は無料、謝礼等は発生せず、全てボランティアです。


著作物利用許可申請を福音館書店様へ提出したところ、きうちかつ様ご本人に伺うように、とのことでした。ご検討くださいますよう、よろしくお願いいたします。


おはなしボランティア おはなし結

竹中 二葉


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竹中 二葉 様


初めまして、木内です。

ご連絡ありがとうございます。

お問い合わせにお答えします。


「やさいのおなか」と「やさいのせなか」をzoomでの読み聞かせを許可します。


感染症が拡大する数年前、『やさいのおなか』『やさいのせなか』を対面で読み聞かせをしたところ、入居者の皆様、「おなか」や「せなか」の絵から食べ物の記憶が蘇るようで「あ! アレ、あの野菜よ、美味しかったわ」「それ、何ていう名前だったかしら!」と大変喜ばれました。


このような具体的に読み聞かせをしたときの様子を書いていただきありがとうございます。絵本を通していろいろな記憶が蘇るのは、高齢者を対象にした読み聞かせ会ならではの楽しさですね。子どもたちを対象にした読み聞かせ会も開催しているのでしょうか?


子どもを対象にしたときは、特に注意して欲しいことがありますのでお伝えします。


著作権法を順守していただければ絵本をどのように読み見せるかは、読者の自由だと思います。読み方や見せ方に決まりはありません。しかし、この絵本を作った理由と思いが作者にはあります。はばかりながらぼくの考えをお伝えします。


「やさいのおなか」を食育で使いたいというご要望はたくさんあります。子どもたちが野菜に興味を持ってもらう手段の一つとして「やさいのおなか」を使いたいという先生方のお気持ちは理解できます。しかし、この絵本の作者としては、シルエットの答えは野菜の名前以外のものがたくさん出てきて欲しいと思っています。答えが野菜でなくても良いのです。子どもたちの豊かな発想を否定せず伸ばして欲しいと思います。「やさいのおなか」は野菜の名前や形を覚えるための知育絵本ではありません。子どもたちが楽しい時間だと思えるようにするのは、大人の心構え次第だと思います。「やさいのおなか」誕生秘話はオフィシャルブログにも書いてあるのでよろしければご覧ください。


http://yasainoonaka.blogspot.com/2021/06/blog-post_6.html


http://yasainoonaka.blogspot.com/2022/04/blog-post_2.html


http://yasainoonaka.blogspot.com/2022/04/blog-post.html



いろいろな記憶が蘇って、話が広がると良いですね。

イベントが楽しい時間になるよう頑張ってください。


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木内


お返事をいただき、どうもありがとうございます。

とても嬉しくメールを拝見いたしました。


まずはzoomおはなし会での読み聞かせをご許可くださり、ありがとうございます。

感染症のため、入居者の皆様へ対面でお届けできないもどかしさはありますが、きうち先生の力強い白黒の絵、それに続くカラーの絵で静かに眠っていた記憶が、ムクムクと呼び起こされると確信しております。じーっと絵を見ながら、一口食べた美味しさや、お勝手で料理した時の匂い、ごつごつごつやざらざらざらざらの手触りを今一度思い出し、こちらにも教えていただきたいと思っています。もし、その「名前」が出てこなくとも、ご自身の思い出が蘇れば満点ときうち先生からのメールを読んで気づきました。どうもありがとうございます!


また、きうち先生のオフィシャルブログを拝見いたしました。子どもたちを対象にした読み聞かせもしておりますが、私たちがしてしまいがちな勘違いをご指摘くださり感謝をしております。次は子どもたちのおはなし会で読み聞かせをし、どんな言葉が出てくるか、どんな見方を教えてくれるか、楽しんでみたいです。


きうち先生からいただいたメールをグループの仲間で共有し、私たち大人も、のびのびと楽しむきっかけにしたいです。貴重なアドバイスをどうもありがとうございました。後日、おはなし会当日の様子を報告いたします。


おはなし結

竹中 二葉


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木内


先日は、高齢者へのオンラインおはなし会での絵本読み聞かせを許可してくださりどうもありがとうございました。先ほど、おはなし会が終わりました。


『やさいのおなか』のかぼちゃの白黒のページを開きますと、「うーん、知らない。こんなもの見たことのない」とみなさん。

では、こちらはどうでしょうかとページをめくりますと「あ、かぼちゃ? かぼちゃ!」「私、煮付けて食べた」「私、かぼちゃ嫌い」「煮物より天ぷら、作ったわ」と話が止まらないのでした。


『やさいのせなか』のとうもろこしの白黒のページを開きますと、「知らない」「食べたことない」とみなさん。こちらから「実は黄色なんですよ」とお伝えする「え、とうもろこし?」「あ、このつぶつぶ」「ヒゲ、ヒゲ」とおっしゃいました。そしてページをめくりますと、「おー」と歓声が上がります。「おやつだった」「茹でて食べた」と昔を懐かしむお声も。今は施設にいらっしゃる方も、どうやって食べようか考え、お勝手に立っておられた日々があり、それは体に染みこんで忘れることのできないものなのでは、と思いました。もっと入居者の皆様から、お話を聞きたくなってしまいました。


木内先生からメールをいただいたことでおはなし会の目的を考えるきっかけをいただきました。どうもありがとうございました。これからもブログを覗かせていただきます。


おはなし結

竹中二葉


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