2021年6月9日水曜日

2021年 著作権利用のお問い合わせより

 絵本「やさいのおなか」が、食と暮らしのライフスタイルメディアmacaroni 

下記のサイトで紹介されています。

https://macaro-ni.jp/100011

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21-5

きうちかつ様


突然のご連絡失礼いたします。

わたくし、食と暮らしのライフスタイルメディアmacaroni https://macaro-ni.jp/  の樋田(トイダ)と申します。


現在、弊社メディアにて

「子供の食育に役立つ。おすすめ絵本」という記事を作成中でして

きうちかつ様が書かれた「やさいのおなか」を紹介させていただきたく

ご連絡いたしました。


今回の企画は

03歳、35歳、5歳~小学校中学年まで」という3つの軸で絵本を紹介する予定でして、

絵本ナビ編集長の磯崎園子さまと、リトルシェフクッキング代表取締役の武田昌美さまに

おすすめの絵本を選定していただきました。


「やさいのおなか」は、03歳のお子様におすすめの絵本ということで

磯崎さまにご紹介していただく予定です。


つきましては、弊社メディアにて絵本の表紙を掲載したいと考えております。


掲載にあたり、申請が必要なものや注意事項がございましたら

ご教示いただきたく存じます。


お忙しいところ恐れ入りますが

ご確認のほど、よろしくお願いいたします。


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株式会社トラストリッジ

153-0061

東京都目黒区中目黒1-1-71 KN代官山ビル 2F5F

ライフスタイル事業本部

macaroni編集部

 

食からはじまる、笑顔のある暮らし。

macaroni[マカロニ]:http://macaro-ni.jp/

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21-5

樋田由香 様


初めまして、木内です。

ご連絡ありがとうございます。

お問い合わせについて、お答えします。

絵本「やさいのおなか」の表紙を掲載することを許可します。

食育のために描いた絵本ではありませんが、絵本は読者が自由に感じて欲しいと思っています。

絵本は子どもと大人を結ぶためのコミュニケーションツールです。

「やさいのおなか」を子どもと大人が一緒に楽しんでいただければ幸いです。

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21-5

木内さま


お世話になっております。

macaroni編集部の樋田です。

ご返信いただきありがとうございます。

掲載許可とのことありがとうございます。

温かみのある絵とクイズ形式で読み進められるところがとても魅力的で

私たち大人も、この断面なんだっけ…??と楽しませていただきました!


お子さんが野菜に興味を持つきっかけになる1冊としてご紹介させていただきます。


記事の公開は来週を予定しておりますが、一度プレビュー画面をお送りさせていただきます。

公開完了後、正式なURLをお送りいたします。


何卒宜しくお願いいたします。


樋田

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21-5

木内さま


お世話になっております。

macaroni編集部の樋田です。


以前ご連絡いたしました「食育のためのおすすめ絵本」の記事公開をいたしましたので

リンクをお送りいたします。


https://macaro-ni.jp/100011


お手数おかけしますが

ご確認のほど、何卒よろしくお願いいたします。



2021年6月6日日曜日

「やさいのおなか」誕生秘話



  絵の勉強をしていた学生時代に出会ったこの本にインスパイアーされて、「やさいのおなか」が誕生しました。

角川文庫 民話集 人は何で生きるか 「二人の老人」トルストイ 米川正夫・訳 昭和48220日 改版11版発行


 絵の勉強をしているとき、先生からこんな課題を与えられました。野菜を一つ選んで色彩構成しなさい。ぼくはたまたま台所にあったキャベツを手にとりながめました。まんまるいキャベツはデッサンしやすいように思いました。そして、デッサンしていると葉のすじの形がおもしろく興味がわいてきました。そこで今度は、キャベツを包丁で真二つにわってみました。すると、キャベツの中から巨木が現れました。キャベツの断面は、とてもユニークな形をしていました。目から鱗が落ちる思いでした。今までキャベツはとんかつにそえる野菜としか頭になかったので、キャベツのもっている美しさに気がつきませんでした。毎日見てよく知っていたつもりでしたが、実は何も見えていなかったことに気がつきました。このキャベツ事件の後にトルストイの「二人の老人」を読んだので、この物語は忘れられないものになりました。


 大人の答えは、沈黙が多くなります。毎日見てさわって料理して食べているはずなのにわからない。あまりにも身近にある食べ物だけど、知っているようで実はわかっていない。見ているようで見えていないものなのです。

 ところが、ある小学生が何の野菜か全て言い当ててしまいました。どうしてわかったのか、その子に聞いたところ、その子は野菜が嫌いでなかなか食べられずながめているうちに、嫌いな野菜の断面を無意識に覚えてしまったらしいのです。なるほど、こういうこともあるわけで、苦笑いしてしまう話です。


 美しいもの不思議なものは、意外と身近なところにあるものです。問題は、それにあなたが気がつくかどうかなのです。


2021年6月4日金曜日

2021年 著作権利用のお問い合わせより

  絵本の読み方に決まりはありません。読者が自由に読むことができます。大人が子どもに絵本を読んであげる場合も、決まったルールはありません。絵本をどのように使うかは、読者の自由です。しかし、絵本を生み出した著者としての思いはあります。その思いを読者に押し付けることはしたくないです。余計なお世話だと思っています。でも今回少しだけ著者の思いを読者に伝えることにしました。その理由は、絵本をもっと広い視野で、自由に楽しんでもらいたいからです。



2021-4

「やさいのおなか」の弊社発行物への掲載許諾のお願い 仮説社


木内かつ様


はじめてメールをさせていただきます。

私は,教育書や児童向けの科学絵本を刊行しております仮説社という出版社で,月刊誌の編集をしております向山と申します。福音館ライツ事業部・鈴木様よりご案内いただき,メールをさせていただきました。

このたびは,きうち様の『やさいのおなか』を弊社の発行物に掲載させていただきたくご連絡申し上げました。


弊社の月刊誌『たのしい授業』2021年5月号に,中学校の先生が〈『やさいのおなか』を使用して英語の授業を行った〉という記録を掲載したいと考えております。

つきましては,『やさいのおなか』について内容紹介とともに表紙・裏表紙画像を掲載させていただきたく,お願いを申し上げる次第です。

お願いの概要は以下の通りです。

ご検討を賜り,本メールの返信にて掲載の可否についてご連絡いただけますと幸いです。

何卒よろしくお願い申し上げます。

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2021-4

向山裕美子 様


はじめまして、木内です。

ご連絡ありがとうございます。お問い合わせについてお答えします。


絵本「やさいのおなか」を取り上げていただきありとうございます。

英語の授業で使っていただき嬉しく思っています。

小学校の食育でもよく使っていただいているようです。

以前にもある教育委員会から「やさいのおなか」を使った食育のマニュアルを雑誌に載せたいと言う依頼がありました。

しかし、その依頼についてはお断りさせていただきました。その理由は、マニュアルの内容がやさいの名前を覚えさせるものになっていたからです。

「やさいのおなか」はそう言う目的で作ったのではありません。やさい以外の答えが否定されてしまうようなマニュアルは子どもたちにとって不幸です。

今回の英語の授業での使用は先生個人のやり方なので問題はないですが、答えがやさいの名前だけと言うのは残念に思いました。

やさいの名前だけではなく答えのイメージを広げて欲しいです。

絵本をどのように使うかは、個人の自由だと思います。しかし、教育関係者が読む雑誌に今回の記事をぼくが許可すると、その授業方法を賛成したことになります。

英語で野菜の名前を勉強することは良いのですが、答えが野菜だけという目的に絵本を利用されてしまうのは著者としては少し残念に思います。

野菜以外の答えも出てくるような授業をして欲しいと願っています。

「やさいのおなか」が生まれた秘話を添付しておきます。作者からのお願いとして、この文章が一緒に掲載されるならば良いのですが、いかがでしょうか?

ご検討ください。

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2021-4

木内かつ 様


お世話になります。仮説社の向山です。

ご返信いただき,ありがとうございました。

また,掲載についてご検討いただきありがとうございます。


絵本「やさいのおなか」秘話を,ぜひ『たのしい授業』へ掲載させてください。原稿掲載のご提案をいただけてとてもうれしいです。

「大人が考える正しい答えを当てさせるのではなく,子どもたちの豊かな発想が生まれる環境を作り・守ること」,教育において非常に重要なことだと考えます。

ところが,現時点では「大人の望む答えを言う教育」を目にすることも多いです。

木内さんの文章を『たのしい授業』の読者へ届けたいと,強く思いました。

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2021-4

向山裕美子 様


こんにちは、木内です。

「やさいのおなか」の利用について、ご理解していただきありがとうございます。

掲載の件については了解しました。よろしくお願いします。

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2021-4

木内かつ様


お世話になっております。仮説社の向山です。

この度は,すてきな原稿をいただき,ありがとうございました。



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仮説社 

TEL03-6902-2121  FAX03-6902-2125

170-0002  豊島区巣鴨1-14-5第一松岡ビル3F


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2021年6月1日火曜日

「かえるや」ができるまで ④

2020年リモートワークで仕上げ


  2020年新型コロナの感染症が広がり4月の緊急事態宣言により、上京できなくなりました。撮影は全て終わっていたので、チーム4人が一箇所に集まることがなくても作業を進めることは可能でした。zoom会議を重ね原稿をデータで送り絵本を仕上げていきました。そして、2021年1月に原稿を印刷所に入稿し完成に至りました。


 2010年のスタートから完成まで10年以上が経っています。本格的に絵本「かえるや」の作業を始めたのが2017年からなので、出版されるまでには5年間の歳月をかけたことになります。時間をかければ良いものができるという訳ではありませんが、自分が納得するものを作るのに必然的にかかった時間だと思っています。この作品が末長く世代を越えて愛され続くことを願っています。


 かえる工作は、絵本と同じように作る必要はありません。目の形を変えたり、かえるに模様をつけて、自分だけのかえるを作ってください。上手に作ることよりも、楽しく作ることが大切です。全部一人で作れなくても気にしないで、手伝ってもらいましょう。


 ところで、絵本「かえるや」は、牛乳パックでかえるを作る工作絵本ですが、工作以外にもいろいろなかえるやパロディーが隠れています。いくつ気がつきましたか?それらは工作とは関係なく、作家の遊び心で書いています。自分で気がついた人は、ちょっと得した気分になるかも知れません?

もしも気がついた人は、自分だけの発見として秘密にしておいてください。

宝物は自分で発見した方が、楽しいものです。

 絵本は文字を読むだけではなく、絵を読む力も大切です。まだ文字が読めない幼児は、聞く力と絵を読む力は大人が思っている以上に備わっています。大人が気がつかないことを、幼児は発見しています。大人は幼児が何を発見したか聞いてあげることも大切です。絵本で楽しい時間を過ごしてください。



*70歳になる友達が、絵本を見てかえる工作の作品を送ってくれました。 

白い牛乳パックの個性豊かなシロガエル、一番奥のかえるは自分の似顔絵かな?

2021年5月30日日曜日

「かえるや」ができるまで ③

 2019年4人のチームになり、表現方法を試す

 かえるの工作と絵本の構成がまとまってきたら、今度はそれらをどう表現するかを決めます。イラストにするのか、写真撮影にするのか、表現方法は無限にあります。謎のかえるやという主人公を考えたときに、一つの方法を試してみたいと思っていました。それは、立版古(たてばんこ)と言う江戸時代のおもちゃで、浮世絵版画を切り抜いて平べったい紙の人形や建物に糊をつけて立たせ、奥行きのある3次元の舞台空間を作る模型のようなものです。このレトロな手法なら怪しい露天商の雰囲気を面白く表現できるのではないかと思いました。




*立版古の試作品

 かえるやのイラストを描きプリントして、立版古の模型を作って見ました。その見本をもとにどんな表現ができるのか、いろいろ試すことになりました。そのために今まで編集者と2人だけだったチームに、デザイナーとカメラマンが新たに加わることになりました。

 

 2019夏にテスト撮影を行いました。立版古をイラストにするか、実写版にするかを決めるための撮影です。このときに著者が剣道着を着てモデルになりました。その写真を使って、デザイナーが一場面のサンプルを作りました。その後4人での共同作業が進み、絵本の形が見えてきたところで、12月に本撮影を行いました。



*テスト撮影で自前の剣道着を着てモデルになった著者



*本撮影で実際に使った、かえるやの立版古

2021年5月29日土曜日

「かえるや」ができるまで ②

 2017~18年テーマを決めて構成を練る

 かえるの工作を絵本にするためには、まず最初に絵本のテーマを決めます。何を表現したいのか、読者に何を伝えたいのかを書き出します。それが決まってから、絵本作りにとりかかります。

 テーマが決まると、次に本の構成を考えます。ぼくの本作りで一番時間をかける作業になります。アイディアを練っていくつものラフを描きます。

 料理で例えるならば、最初の工作が素材集めです。次にテーマを決めて、その素材からどんな料理を作るか、和風、洋風、中華風などあらゆる料理を試します。一番テーマに合った料理の構成を考えて、どのような調理方法がベストなのか、具体的に作っていきます。


 構成を練っているときに絵本のタイトルが閃きました。「かえるや」です。それから、かえるやという謎の人物のイメージを思い浮かべました。その謎のかえるやは、どんな人物でいったいどんなかえるを作るのか?謎のかえるやは、ただのかえるは作らない。動くかえるや遊べるかえる、びっくりするようなかえるを作って、子どもたちを魅了します。

 妄想する時間はいくらあっても飽きません。著者にとって苦しい時間でもあり、楽しい時間にもなります。

 

 工作から始まった絵本ですが、物語に合わせてかえるの工作も変化します。一番最初に作ったシンプルなかえるも、完成品はせなかを擦ると鳴いて、おなかも膨らむかえるにアレンジしました。

 試作品の中で最後に生まれたのが、「おたまじゃくしはかえるのこ」です。童謡としても有名なこの歌詞を、おもちゃの形にできないかと考え作りました。こうして2018年にはたくさんの試作品の中から選び抜かれた4匹のかえるたちが誕生しました。


 この頃は大分県に移住していました。「かえるや」の工作に使う牛乳パックを探していて、目に止まったのがスーパーマーケットやコンビニで販売されていたみどり牛乳でした。緑色でシンプルなパッケージデザインの牛乳パックが、かえる工作にはぴったりだと思い九州乳業株式会社さんに協力をお願いしました。みどり牛乳との巡り合わせも、不思議なご縁だと思いました。


*絵本に載らなかった、かえるの試作品

2021年5月28日金曜日

「かえるや」ができるまで ①

2010年最初のかえるを作る

 絵本「かえるや」ができるまでにどれくらいの時間がかかっていると思いますか?「かがくのとも」は毎月刊行されている月刊誌です。「かえるや」も2021年6月号の雑誌として刊行されました。流行を意識したり追いかけてタイムリーな記事を載せる雑誌とは違い、単行本と同じような作り方をしています。読者から長く愛される絵本になるように、贅沢に時間を費やして丁寧に作っています。



 ぼくの工作絵本の作り方は、工作から始める場合と物語から始める場合があります。「かえるや」は工作をまず考えてから、物語を作りました。一番最初に作ったかえるは、なきがえるです。2010年(平成22年)に「ジャムさんちのたからばこ」(かがくのとも2012年1月号)のアイディアを練っているときに生まれた工作です。「ジャムさんちのたからばこ」は、ジャムさん家族を登場させる物語として考えていたので、物語に合わないかえるの工作は使いませんでした。でも作品としてはとても気に入っていたので、いつかこのかえるをデビューさせようと思っていました。



*この頃は沖縄県石垣市に住んでいたので、
マリヤ酪農牛乳のパックで作りました。

 その後「ジャムさんちのふくぶくろ」(かがくのとも2014年12月号)が出版され、次に「なにがみえるかな?」(かがくのとも2019年5月号)を作っていた2017年に「かえるや」の構想が生まれました。「なにがみえるかな?」を作りながら、いろいろなかえるを試作していました。

 工作をしているときは、頭で考えるのではなく、手を動かしていろいろなことを試します。作る前に図面を引いたり完成図を描いたりせずに、いきなりハサミで牛乳パックを切って作ります。たくさん失敗しますが、作り続けているとおもしろい発見があります。何が生まれるかわからないところが、物作りの楽しさです。