2010年最初のかえるを作る
絵本「かえるや」ができるまでにどれくらいの時間がかかっていると思いますか?「かがくのとも」は毎月刊行されている月刊誌です。「かえるや」も2021年6月号の雑誌として刊行されました。流行を意識したり追いかけてタイムリーな記事を載せる雑誌とは違い、単行本と同じような作り方をしています。読者から長く愛される絵本になるように、贅沢に時間を費やして丁寧に作っています。
ぼくの工作絵本の作り方は、工作から始める場合と物語から始める場合があります。「かえるや」は工作をまず考えてから、物語を作りました。一番最初に作ったかえるは、なきがえるです。2010年(平成22年)に「ジャムさんちのたからばこ」(かがくのとも2012年1月号)のアイディアを練っているときに生まれた工作です。「ジャムさんちのたからばこ」は、ジャムさん家族を登場させる物語として考えていたので、物語に合わないかえるの工作は使いませんでした。でも作品としてはとても気に入っていたので、いつかこのかえるをデビューさせようと思っていました。
*この頃は沖縄県石垣市に住んでいたので、
マリヤ酪農牛乳のパックで作りました。
その後「ジャムさんちのふくぶくろ」(かがくのとも2014年12月号)が出版され、次に「なにがみえるかな?」(かがくのとも2019年5月号)を作っていた2017年に「かえるや」の構想が生まれました。「なにがみえるかな?」を作りながら、いろいろなかえるを試作していました。
工作をしているときは、頭で考えるのではなく、手を動かしていろいろなことを試します。作る前に図面を引いたり完成図を描いたりせずに、いきなりハサミで牛乳パックを切って作ります。たくさん失敗しますが、作り続けているとおもしろい発見があります。何が生まれるかわからないところが、物作りの楽しさです。
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