2024年9月6日金曜日

能登地震ボランティア活動報告6


 

 20日は輪島市のかわい保育園で「かえるや」の絵本あそびをしました。絵本「かえるや」を読む時は、牛乳パックで作ったハリセンを叩いて露天商の啖呵売のようにテンポよく読みました。そして牛乳パックで作ったカエルを見せてから、「ひっくりかえる」をみんなで作り遊びました。





 午後からは輪島市ふれあい健康センターの2階にある子育て支援センターに伺いました。前回は閉まる間際に到着したので少ししか遊ぶ時間がありませんでしたが、今回は小学生の女の子たちとたっぷり工作をして遊ぶことができました。牛乳パックの迷路を作りながら夏休みの宿題のことなどの話しを聞いていると、ぽつんぽつんと震災で苦労したことを話し始めました。知らないおじいさんとの会話だから安心したのかも知れません。大人だけではなく子どもたちも傷つき苦労して大変な経験を強いられてたんだと思いました。ぼくは子どもたちから本音が聞けて嬉しかったし、子どもたちも少しは気が晴れたかも知れません。そして何よりなことは、子どもたちの笑顔を見れたことです。







 輪島からの帰り道に七尾市の保育園に立寄り前回のワークショップに参加した先生方と再会しました。園ではぼくのワークショップを受けた先生方からアンケート(感想文)をとっていて、それらを読ませていただきました。それらはぼくの「絵本あそび」についての考えに共感した内容で嬉しかったです。震災されたから特別なワークショップをしたわけではありません。日常に戻るにはまだまだ時間がかかると思います。それでも普段からしていることをすることで、少しずつ日常の生活に戻っていくことができると思います。

 1995年(平成6年) の阪神・淡路大震災が起きて長田の避難所を訪れた時に、保育園の先生から最初に聞かれた質問が忘れられません。「保育児のなかに工作が好きな子がいて、セロハンテープを一人でたくさん使ってしまうのだけどどうしたらいいか?」でした。

被災したから特別なことを聞きたいわけではなく、普段から疑問に思っていること、わからないことは被災者になったことで何か変わるわけではありません。いつもの生活に戻れるように、いつもしてきたことをできるようにする。それが一番大事なんだと思いました。

 前回七尾市の保育園でワークショップをした朝に能登地方を震源とする震度5強の地震が発生しました。ぼくもまだ金沢のホテルを出発する前でビビリました。

保育園に着くといつもと変わらない様子の園児たちが元気な笑顔で迎えてくれました。でも余震を心配して欠席した園児もいました。

その日園児たちが帰る時の様子を、園長先生が話してくれました。「いつもなら余震があると、子どもたちは怖かったと話しながら帰るのに、あの日は今日は楽しかったねと話しながら嬉しそうに帰ったんですよ。」

来て良かったと思いました。ぼくも子どもたちに救われています。感謝です。


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