2016年11月18日金曜日

新富町図書館での講演とWSの報告

11月3日に宮崎県新富町図書館で第1回きらりBOOK FESTが開催されました。
新富町図書館は今年4月にオープンしたできたてほやほやの図書館です。
その最初のブックフェスタで、講演とワークショップを行いました。
スタッフのみなさんはとても張り切り準備してこの日を迎えました。みなさん緊張していたようですが、
キラキラ輝いていました。

午前中は親子(幼児から小学生)参加のワークショップで、絵本あそび「はじめての おつかい」をして遊びました。図書館ではじめて出会った大人と子どもですが、今日はみんな一緒に大きな声を出して買い物ごっこをして遊びました。

ぼくは各地で絵本遊びのワークショップをしています。絵本あそびの中でも買い物ごっこ遊びは、そこの土地柄が見られてとても楽しい遊びです。買い物ごっこ遊びは、絵本「はじめての おつかい」を読んでから遊びがはじまりますが、その前に子どもと大人に必ず一つ質問をします。それは「お店に入る時にどんなことばをかけて入るのか?」という質問です。大人の答えは地域や年代によって皆さん違います。かけることばも違うしことばのイントネーションも違います。
しかし、今の子どもたちはお店に入る前に声をかける経験がありません。コンビニでもスーパーマーケットでも黙って店内に入ることがあたりまえです。でも今日は黙ってお店に入ることはできません。なんてかけ声をかければよいか、子どもたちは一生懸命考えます。その答えがまた面白く素敵です。それぞれかけ声のことばが決まったら、子どもたちだけで集まって最初にかけ声の練習をします。それから買い物が始まります。お店やさんも黙っていては商品は売れません。お店はたくさんありますから、大きな声でお客さんの呼び込みをしなくてはなりません。子どもと大人の本気な会話が微笑ましく見ていても楽しくなります。商品はただのチラシですが、生まれ育った地域のことばで親子のコミュニケーションが深まります。

午後は大人を対象にした講演で「絵本をつくるたのしさ」というテーマで話をしました。
それから、用意してあった「ぼくへの質問」について答えました。
その質問は6つでした。

Q 1、子供と遊ぶのが上手ですが、子どもの心をつかむコツがありますか。

Q 2、木内さんは子どものころから図画工作が得意だったのですか?

Q 3、木内さんが公共図書館に求める児童サービスのあり方などありますか?

Q 4、著書「絵本あそび」に収録されている遊びは、ボランティアや図書館員が講師となって実施しても
        よろしいのでしょうか?

Q 5、長年造形あそびに携わってこられていますが、木内さんが指導した子どもたちがどんな大人に  
        成長していると思いますか?

Q 6、造形あそびが好きな子どもは、そうでない子どもと比べて大人になった時に違いが出ますか?

今回ぼくが新富町図書館に招かれたきっかけは、8年前に宮崎県のNPO法人日向みんなの図書館が開催したワークショップでした。(現在NPO法人は解散しています。)その時のスタッフが新富町図書館の新スタッフとして働いてます。NPO法人日向みんなの図書館のボランティアスタッフも活発な活動をしていました。10月に開催した長崎県諫早図書館でも市民ボランテイィが活躍していました。市民が活躍できる図書館は、まるで我が家のような場所になるんだと思いました。どんなに素晴らしい建物が建っても、それだけでは人は育ちません。新富町図書館も諫早や日向のように市民が我が家のように思える場所に育って欲しいです。みなさんと出会ったおかげで、ぼくも「はじめの一歩を忘れずに!」を心がけようと思いました。
みなさんと出逢えたことに感謝!!!



2016年11月11日金曜日

諫早図書館での講演とWSの報告

10月21日と22日諫早図書館で講演とワークショップが開催されました。
今回の講演とワークショップが実現したきっかけは4年前の2012年7月に遡ります。
諫早市でボランティア活動している絵布(えふ)の会から、「やさいのおなか」を布絵本にしたいという申請がありました。
手作りで制作するという条件を満たしていたので喜んで許可しました。
それから1年が経ち制作中の写真が送られてきました。それを見てびっくりしました。
絵本と同じようにリアルに作られていたからです。丁寧に作られている作品を見て感激しました。
そしてこれが完成するまでにどれだけの時間がかかるのだろうかと思いました。
それから2年後にやっと完成しましたという知らせが届きました。
完成された作品の写真を見て、これは実際に見て触ってみたいと思いました。
西日本を旅していて2年前に落ち着いた先が大分県別府市だったので、
長崎ならすぐ行けると思っていましたがなかなか諫早に行くチャンスがありませんでした。
そんなぼくにしびれをきらした絵布の会が、他のボランティアグループと共催してイベントを開催することになりました。やっと作品にお目にかかれることになりました。

実物を見て触り本当に感動しました。一人一人の思いが一針一針にこめられた作品でした。
「みなさん頑張りましたね」と、ご苦労をねぎらう言葉をかけたら、にこっと笑って意外な答えが返ってきました。
「私たちは頑張らないことをもっとうにしています。楽しくつくることを心がけています。だから時間もかかりますが長く続けられるんです。」なんと素晴らしい答えだと思いました。
ぼくも子どもたちと絵本あそびをしているときとは、制作過程を楽しむことを何よりも大切にしています。
楽しいものづくを目指すならば「頑張らない」ことが一番のコツです。

凄い作品を見て感動しましたが、それ以上に素晴らしいことは、作品を作った絵布の会のみなさんとぼくを呼んでくださった諫早市のボランティアのみなさんと出会えたことでした。みなさん活き活きと活動していました。諫早で暮らせる子どもたちは幸せだと思いました。







講演のテーマは「絵本の世界をつくる楽しさ」
講演をするときは毎回質問をいくつか用意してもらいます。その質問に沿って講演をします。
今回の質問は4つでした。
1、絵本作家や造形作家になったきっかけ
2、木内さんの絵本が出来た背景
3、木内さんの思いや作る楽しさ
4、家庭でできる絵本あそび

「絵本作家や造形作家になったきっかけ」については、ぼくがいつ絵本と出会いどんな絵本を見てきたかという話をしました。
「絵本ができた背景」については、ぼくが絵本を書き始めたきっかけについて話しました。
「思いやる楽しさ」については、絵本が生まれる場所と子育の体験について話しました。
「家庭でできる絵本あそび」については、実際にみなさんとミニ仕掛け絵本をつくりました。

ワークショップの内容は、「木内かつの絵本あそび」より「はじめてのおつかい」を親子で遊びました。

参加者からの感想を一部紹介します。

*先生のエピソードをお聞きして、絵本ができた背景を知り、感動しました。個性を大切にしてこられた先生ならではの絵本たちですね。今日は忘れていた子どもの心の大切さを教えて頂きました。楽しい時間をありがとうございました。

*子ども時代にたくさん遊んだ経験、ヘンな先生との出会い、子育ての中での遊びが、絵本の原点なんだなあと改めて、遊びの大切さを実感することができました。遊びの中で、子どもは育つと思っていますので、共感できるお話ばかりでした。ありがとうございました。

*子供の商売の発想におどろきました。値引きのしかたやおまけをつけたりとなるほど!と思いました。自分も買い物などをする時でもコミュニケーションをとることの大切さがわかりました。

*チラシを切って、お買い物ごっこ…。木内さんの本で紹介されていたので知ってはいましたが、実際にやってみると本当に楽しかったです。コミュニケーションとるの大事だなと思いました。ありがとうございました。

子どもの感想
おはなしがながかったです。
いろいろなたいけんができてよかった。
*色々なものを売るのが楽しかった。

 

2016年10月17日月曜日

おまけクイズの答え

3つのスタンプの答えは、ワインのコルク、キウイ、スダチでした。
わかりましたか?
絵本「やさいのせなか」は、野菜の表面をクレヨンでこすってできた模様です。今回は印鑑のように朱肉(スタンプ台)を使ってスタンプしました。みなさんも試してみてください。面白い模様や美しい模様を発見できますよ。


2016年10月1日土曜日

第2回「絵本であそぼう!ドラムライブ」の公演報告

 16日金曜日は品川区の文教大学付属幼稚園で開催しました。プログラムは「ぼくはこっくさん」「どんぶりどうじょう」「サンゴ礁の海」「エリセラさんご」の4作品でした。最初はドラムの生音にびっくりした様子でしたが、だんだんリズムにのって体を動かしライブを楽しんでくれました。


 17日土曜日は千葉県市原市立中央図書館で開催しました。午前午後2回の公演で、どちらも親子参加でした。プログラムは「ぼくはこっくさん」「やさいのせなか」「どんぶりどうじょう」の3作品でした。「ぼくはこっくさん」では最初にコックさんの帽子を紙袋で作りました。「やさいのせなか」ではクレヨンを使って紙に野菜や貝殻やザルの模様を写し出すフロタージュ遊びをしました。
 
参加者の感想を少し紹介します。
*最初は緊張していた子供もドラムの楽しいリズムや心地よい読み聞かせで、だんだんテンションが上がって踊り出してしまうほどでした。
*やさいのせなかを写して楽しかったです。家でもチャレンジしてみたいです。
*ドラムの音から想像力を膨らませることが楽しかったです。人によって感じ方のちがいにも何故だろうと発見と驚きがありました。
*子どもたちの発想がどんどん出てくるおもしろさがいっぱい詰まっていて、おもわず笑ってしまいました。



写真左からドラム大久保青、きうちかつ、語り森川梢

おまけクイズ
3つのまるい模様はなーんだ?

ヒント
3つのうちの2つは果物のおしり?それともあたまかな?1つは食べられません。どれも3文字です。
スタンピングでつけた模様です。実際のサイズは、一番小さいまるの直径が18ミリ位です。


2016年9月15日木曜日

秋の絵本ワークショップ

絵本あそびドラムライブ公演のために東京に来ています。16日金曜日に文教大学付属幼稚園、17日土曜日は千葉県市原市民中央図書館で絵本あそびドラムライブを開催します。今回は新たに「ぼくは こっくさん」をドラムライブ用にアレンジしました。コックさんの帽子も作ります。この模様はまたYouTubeで公開しますので、お楽しみに!

11月3日宮崎県の新富町図書館で絵本あそびワークショップを開催します。詳しくはポスターをご覧ください。


2016年7月15日金曜日

高校生のための絵本講座

2016年4月12日に沖縄県石垣市の八重山高等学校で「絵本講座」を開催しました。参加した生徒は家庭クラブ委員と保育や絵本に興味がある生徒32名です。講座の内容は、1、絵本の魅力と楽しみ方 2、ミニ仕掛け絵本を作ろう この2つです。講座で紹介した絵本は、「ごろごろにゃーん」「キャベツくん」「かえるとカレーライス」長新太/作「あおくんときいろちゃん」「フレデリック」レオ・レオニ/作「ぶたのたね」「おばけがぞろぞろ」佐々木マキ/作「かさをささないシランさん」谷川俊太郎 アムネスティ・インターナショナル/作 いせひでこ/絵「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」ホセ・ムヒカ などです。


下の写真は、生徒が作ったミニ仕掛け絵本です。


絵本講座に参加した生徒の感想

*自分は絵本は子どもが見るものだと思っていましたが、今日の話を聞いて自分の歳でもみるものがあるなと思いました。見方や考え方を大事にしていきたいです。
*絵本って子どもじみててかっこ悪いと、小学生ながらもかっこつけて読みませんでした。しかし、今日の話を聞いて絵本は見る人によって伝わり方がこんなにも違うものか、奥深いなと思いました。
*私は絵本が大好きで小さい頃よく読んでいましたが、最近絵本とふれあうことがなく、久しぶりに絵本を読み聞かせしてもらったり、いろんなことを教えてもらって一瞬で童心にかえりました。そして、やさしくおだやかな気持ちになれたので、絵本の力はすごいなと思いました。なにか大事なことに気付けました。
*今日、久々に読み聞かせをしてもらい「何を伝えたいのだろう」と考えながら見ていて、よくわからないと思いました。しかし、木内先生の「頭でなく感性で」という言葉を聞き、何も考えずに絵だけを見てみると、楽しむことができました。大人になっていくにつれいろいろな知識を知り頭が硬くなっていくのですが、子どものような考え・感性を大切にしていきたいです。
*自分の持っていた絵本に対する考えが大きく変わる1日になりました。小さいころ見て読んできた絵本を読み返して昔と今の考えを比べてみたいなと思いました。子どもに読み聞かせしてみたいです。
*自分は正直3日ぐらいで絵本は書けると思っていたんですけど、それが全然違うことがわかってとてもびっくりしました。
*キャラクターなど特に出てこない簡単そうにみえる絵本を作るのに2年かかったりと、本当に大変なんだなと思いました。









2016年6月9日木曜日

五感で感じる絵本あそび その2

 子どもが成長する過程で大切なことは何でしょうか?それは感性を育むことだと思います。感性は五感で感じて磨かれていきます。知識を詰め込んでも感性は身につきません。
 5月に開催した「絵本であそぼう!ドラムライブ!!」は、視覚と聴覚を使って絵本を楽しむ遊びです。絵本を読みながら絵に合わせてドラムが絵の景色や登場人物を音で表現します。
 絵本「どんぶりどうじょう」では、読み手の声とドラムがかけあいながら物語が展開します。絵にも仕掛けがあり動きます。いろいろな問題を抱えたお客さんが食堂にやってきます。お客さんのテーマソングはみんな違います。それをドラムで表現します。問題を解決するために大将が作ったどんぶりはどれもユニークです。絵本を見ている観客の気持ちをドラムが掻き立てます。
 絵本「やさいのせなか」では、野菜のせなかの模様を見ながら、ドラムが野菜の特徴を表現します。野菜の表面を触った時の感触、野菜の形や硬さ、野菜の味、野菜を食べる季節などをドラムが音で表現します。その音を体で感じて何の野菜か想像します。その後に、実際に紙とクレヨンでせなか探しの遊びを行います。用意した野菜やザルや貝殻をこすってせなかの模様を浮き出させます。その他にもどんなせなかが見つかるかいろいろな場所をクレヨンでこすって模様を集めてきます。
集めた模様を繋いで大きなタペストリーにすることもできます。
 絵本「エリセラさんご」では、珊瑚の住む世界を絵と読み手とドラムのセッションでお見せします。見ている観客もエリセラさんごの卵プラヌラになって踊りながら旅をします。
体で感じながらエリセラさんごと同じ体験をします。

 絵本を聴いて見るだけではなく、体全部で感じて楽しむ遊びが、「絵本であそぼう!ドラムライブ!!」です。感性を磨くには、心で感じて体で表現することが一番です。さあ一緒に遊びましょう。


YouTube 絵本あそびドラムライブどどんがどん

「やさいのせなか」

「どんぶりどうじょう」