2025年12月25日木曜日

メリークリスマス


  写真は牛乳パックとトイレットペーパーの芯で作ったクリスマスツリーです。(「木内かつの絵本あそび」かがくのとも「みんなでつくる ふゆのかざりもの」参照 )

一緒に並んでいるのは、スペインのカタルーニャ地方でクリスマスに飾られる伝統人形カガネルとカガティオです。




カガネルは陶器製で屈んでお尻を出して排便しています。便は肥料であり豊作をもたらすことで、人の繁栄や幸運を願うお守りの人形です。



丸太の人形はカガティオで、お尻からクリスマスのプレゼントを出してくれます。子どもたちはうんち出せと歌いながら、棒で丸太を叩きます。プレゼントは丸太の下の方に置いて布が被せて隠れています。所変われば品変わる。いろんな祝い方があるのですね。





2025年12月23日火曜日

認定絵本士養成講座

  今年最後の講演とWS(ワークショップ)は、認定絵本士養成講座で彰栄保育福祉専門学校でありました。この講座は2022年から始まり今年で4回目になります。テーマは「さまざまなジャンル絵本(科学絵本)」でした。「かがく」をテーマにした絵本についての話とミニ絵本を作るWSをしました。


生徒のレスポンスシートから一部紹介します。


*個人的にはこれまでにもあまり手に取ることの少ないジャンルでもあった科学絵本に

 関しての授業だったが、それだけにとても新鮮で興味深い内容だった。


*絵本の文字を読むだけではなく、絵を読まないといけないことについて、お話を聞き

 目が覚めました。


*自分がワクワクできる状態になるためには、そもそも夢を持つことが大切であると

 気付きました。



*「作る」ことが苦手で避けてしまいがちだったのですが、先生がどのように

 インスピレーションを得るのかを知り、私も作る意欲が湧いてきました。


*電車に乗ったらスマホを見ることが当たり前になっていましたが、時間を少なくして

 周りも見ることも新しい発見、面白いことにつながると思いました。


*先生のような大人が子どものよい友達になるのだろうと思いました。


*子どもの想像力を大人が制限してしまうことがないように、

 色々なアンテナを張って生活していきたいと思う。



*ミニ絵本づくりでは、仕掛け絵本の簡単な作り方を知り、子どもの興味を引く方法を

 知ることができたので、活用していきたいです。


*子どもたちと何かするにあたり子どもの気持ちになり、同じ目線で保育し楽しい時を

 過ごしたいと思います。


*子どもたちと絵本を読む時や遊ぶ時は、これをやってはいけないと遊び心を

 止めるのではなく見守る事、また子どもたちから私たちが学ぶことがが

 大切なのだと言うことが分かりました。 


*絵本の楽しみ方も正解を決めつけずに、いろんなものに見えるのを楽しむことが

 とても楽しいのだと分かりました。子どもの発想をたくさん引き出せたら

 良いと思いました。


*身近なものを面白いと感じる感性は大切なことだと思いました。

 富士山が何に見えるかという発想を自分はしたことがなかったのですが、

 考えてみると、とても面白かったです。



*作者が面白い、楽しいを見つけてそれを取り入れて作成する必要性があるのだと

 分かりました。このマインドは保育にも必要なのではないかと感じました。


*講義で印象的だったのは、先生自身が楽しそうに絵本についてお話しされている

 姿です。こんなにも楽しそうに絵本のことをお話しされている人が作った本は、

 きっと子どもたちにも伝わると思うし、だからこそ人気なのだと実感しました。


*今日の授業で特に印象に残ったことは「子ども達の方が面白い」ということでした。


*自由で遊び心を忘れないような人生の生き方をしたいと思いました。




2025年12月17日水曜日

ブックデザイナー津久井康宏さん

 一般的には絵本の表紙には作者の名前しか印刷されていませんが、絵本は絵本作家一人で作っているわけではありません。作家と担当編集者と編集部スタッフとブックデザイナーの意見やアイディアを取り入れて一冊の絵本を作り上げていきます。

ぼくの絵本作りには欠かせないメンバーであったブックデザイナー津久井康宏さんが今年の夏に亡くなりました。そして、秋に江ノ島で津久井さんとのお別れ会がありました。

 ブックデザイナーの津久井さんとは、福音館書店編集者の紹介で神奈川県葉山町に住んでいた時に知り合いました。津久井さんとはアウトドアの趣味も一緒ですぐ意気投合し、家も近所だったので家族ぐるみのお付き合いになりました。毎月海岸でのバーベキューパーティーや年末恒例の餅つきなどを家族で楽しんでいました。

 彼と最初にした仕事が月刊絵本かがくのとも(福音館書店)の折り込みでした。連載「ジャムさんちのクリップボード」は19974月号から242年間掲載されました。毎月テーマを決めて取材をし原稿締め切り日まで練りにねったアイディアを出し合って書き上げていました。毎月絵本を一冊書いているような忙しさで大変でしたが、すごく楽しかったです。



 

 折り込みの仕事を終了してから書いたのが、月刊絵本かがくのとも19997月号「なぞなぞすなあそび」(福音館書店)でした。この絵本のデザインを津久井さんにお願いしました。そして、絵本を制作するためのチームを作ることになりました。津久井さんからは写真家の梅田正明さんを紹介していただきました。チームで砂浜のロケハンから本撮影での砂の造形作品も一緒に作り、ぼくと津久井さんの子どもにもモデルになってもらい完成させた絵本です。



 津久井さんとの出会いでぼくの絵本作りも変わりました。その頃アップルコンピューターのMacを購入して使い始めました。津久井さんはぼくのパソコンの師匠でした。どんなソフトを使えば何ができるのか教えていただき色々試していました。そして、初めてMacを使って作った絵本が月刊かがくのとも2003年11月号「ふしぎないえづくり」(福音館書店)でした。工作はアナログ作品ですが、絵本の製作はデジタルになりました。新しい道具を使うことによって、絵本の表現方法も広がりました。







 絵本「くだものなんだ」(福音館書店)は沖縄県の石垣島に住んでいた時に作りましたが、デザインの打ち合わせで担当編集者と一緒に津久井さんも石垣島まで来ていただきました。




  津久井さんとの最後の仕事が月刊絵本かがくのとも20195月号「なにがみえるかな?」(福音館書店)でした。優秀なデザイナーと一緒に絵本を作っていると、新しいアイディアがどんどん生まれてきます。ぼくのアイディアをデザイナーが整理整頓してわかりやすく表現してくれます。特に絵本の表紙はデザイナーの力量が大きいです。



 その後もお願いしたい絵本のデザインがあったのですが、ぼくの仕事が遅くて完成には至りませんでした。一人で作る絵本よりも優秀なメンバーがいるチームで作る絵本は、アイディアが3倍4倍と膨らんで、より魅力的な絵本になります。津久井さんと一緒に作った絵本はかけがいのないものになりました。もう一緒に絵本を作れないことは、寂しい限りです。絵本作りで毎回新しい挑戦ができたことは津久井さんのおかげだと思っています。ありがとうございました。謹んでご冥福をお祈り致します。


*写真の絵本は全て津久井さんがデザインしました