2019年4人のチームになり、表現方法を試す
かえるの工作と絵本の構成がまとまってきたら、今度はそれらをどう表現するかを決めます。イラストにするのか、写真撮影にするのか、表現方法は無限にあります。謎のかえるやという主人公を考えたときに、一つの方法を試してみたいと思っていました。それは、立版古(たてばんこ)と言う江戸時代のおもちゃで、浮世絵版画を切り抜いて平べったい紙の人形や建物に糊をつけて立たせ、奥行きのある3次元の舞台空間を作る模型のようなものです。このレトロな手法なら怪しい露天商の雰囲気を面白く表現できるのではないかと思いました。
かえるやのイラストを描きプリントして、立版古の模型を作って見ました。その見本をもとにどんな表現ができるのか、いろいろ試すことになりました。そのために今まで編集者と2人だけだったチームに、デザイナーとカメラマンが新たに加わることになりました。
2019夏にテスト撮影を行いました。立版古をイラストにするか、実写版にするかを決めるための撮影です。このときに著者が剣道着を着てモデルになりました。その写真を使って、デザイナーが一場面のサンプルを作りました。その後4人での共同作業が進み、絵本の形が見えてきたところで、12月に本撮影を行いました。
*テスト撮影で自前の剣道着を着てモデルになった著者
*本撮影で実際に使った、かえるやの立版古