11月3日に宮崎県新富町図書館で第1回きらりBOOK FESTが開催されました。
新富町図書館は今年4月にオープンしたできたてほやほやの図書館です。
その最初のブックフェスタで、講演とワークショップを行いました。
スタッフのみなさんはとても張り切り準備してこの日を迎えました。みなさん緊張していたようですが、
キラキラ輝いていました。
午前中は親子(幼児から小学生)参加のワークショップで、絵本あそび「はじめての おつかい」をして遊びました。図書館ではじめて出会った大人と子どもですが、今日はみんな一緒に大きな声を出して買い物ごっこをして遊びました。
ぼくは各地で絵本遊びのワークショップをしています。絵本あそびの中でも買い物ごっこ遊びは、そこの土地柄が見られてとても楽しい遊びです。買い物ごっこ遊びは、絵本「はじめての おつかい」を読んでから遊びがはじまりますが、その前に子どもと大人に必ず一つ質問をします。それは「お店に入る時にどんなことばをかけて入るのか?」という質問です。大人の答えは地域や年代によって皆さん違います。かけることばも違うしことばのイントネーションも違います。
しかし、今の子どもたちはお店に入る前に声をかける経験がありません。コンビニでもスーパーマーケットでも黙って店内に入ることがあたりまえです。でも今日は黙ってお店に入ることはできません。なんてかけ声をかければよいか、子どもたちは一生懸命考えます。その答えがまた面白く素敵です。それぞれかけ声のことばが決まったら、子どもたちだけで集まって最初にかけ声の練習をします。それから買い物が始まります。お店やさんも黙っていては商品は売れません。お店はたくさんありますから、大きな声でお客さんの呼び込みをしなくてはなりません。子どもと大人の本気な会話が微笑ましく見ていても楽しくなります。商品はただのチラシですが、生まれ育った地域のことばで親子のコミュニケーションが深まります。
午後は大人を対象にした講演で「絵本をつくるたのしさ」というテーマで話をしました。
それから、用意してあった「ぼくへの質問」について答えました。
その質問は6つでした。
Q 1、子供と遊ぶのが上手ですが、子どもの心をつかむコツがありますか。
Q 2、木内さんは子どものころから図画工作が得意だったのですか?
Q 3、木内さんが公共図書館に求める児童サービスのあり方などありますか?
Q 4、著書「絵本あそび」に収録されている遊びは、ボランティアや図書館員が講師となって実施しても
よろしいのでしょうか?
Q 5、長年造形あそびに携わってこられていますが、木内さんが指導した子どもたちがどんな大人に
成長していると思いますか?
Q 6、造形あそびが好きな子どもは、そうでない子どもと比べて大人になった時に違いが出ますか?
今回ぼくが新富町図書館に招かれたきっかけは、8年前に宮崎県のNPO法人日向みんなの図書館が開催したワークショップでした。(現在NPO法人は解散しています。)その時のスタッフが新富町図書館の新スタッフとして働いてます。NPO法人日向みんなの図書館のボランティアスタッフも活発な活動をしていました。10月に開催した長崎県諫早図書館でも市民ボランテイィが活躍していました。市民が活躍できる図書館は、まるで我が家のような場所になるんだと思いました。どんなに素晴らしい建物が建っても、それだけでは人は育ちません。新富町図書館も諫早や日向のように市民が我が家のように思える場所に育って欲しいです。みなさんと出会ったおかげで、ぼくも「はじめの一歩を忘れずに!」を心がけようと思いました。
みなさんと出逢えたことに感謝!!!